建築業に携わっている方の中では、「この土地に住宅を建てて、本当に大丈夫かな?」と不安に感じたことがある方もいるのではないでしょうか? 住宅を建設する際に地盤の強さが建物の安全性に大きく影響します。しかし、どんなにしっかりとした建物でも、地盤が弱ければ地盤沈下や傾きの原因になってしまいます。そこで必要になるのが「地盤改良工法」です。中でも、砕石(さいせき)を使ったハイスピード工法は有名な地盤改良工法の一つで吉田設備でもこの地盤改良工法を採用しております。今回のブログでは、ハイスピード工法の仕組み、施工の流れ、メリット・デメリット、実際の施工事例まで解説していきます。
ハイスピード工法とは?自然素材で行う地盤改良の新しい選択肢
ハイスピード工法は、自然素材である砕石を地中に詰めて、地盤を安定させる工法で、名前の通り、施工が早く完了するのも大きな特長です。従来の地盤改良工法には、セメント系の材料を混ぜて土を固める「表層改良」や「柱状改良」などがあります。これらは確かな強度が得られますが、地中にセメントが残ることで、環境面の懸念と土地の再利用や売却時に不利になる場合があるという課題もあります。その点、ハイスピード工法では自然素材の砕石のみを使用するため、環境への影響が少なく、将来の土地活用の自由度も高いのが魅力です。特に、住宅や小規模な建物を建てる際に選ばれるケースが増えています。現代のニーズに合った、スマートで持続可能な地盤改良方法として、多くの施工現場で導入され始めています。
ハイスピード工法の施工手順と流れ
砕石を使うと聞くと、手間のかかる大規模な工事をイメージされるかもしれません。しかし、実際の現場ではシンプルかつ効率的な工程で進められます。
使用する主な資材と機械
- 専用の重機:地面に穴を掘り、砕石を入れて締め固めるための機械 ※写真左側
- 砕石:硬度が高く、水はけの良い石を使用 ※写真右側
地盤改良工法の工程順
- 地盤調査
土地の硬さや水分量を確認し、改良の必要な深さを判断します。 - 穴掘り作業
直径40cm程度の穴を必要な深さまで掘ります。 - 砕石の投入と転圧
砕石を少しずつ入れながら、転圧(押し固める)作業を繰り返します。 - 複数箇所の施工
建物全体を支えるため、一定の間隔で複数本の砕石柱を形成します。
工期の目安と対応条件
- 戸建住宅の場合、調査から施工完了までおよそ2〜3日。
- 住宅密集地や狭小地にも対応可能(ただし、重機が入れるスペースが必要)。
実際、当社が郡山市の住宅地で施工を行った現場では、騒音も少なく、近隣に配慮しながらスムーズに施工が進行しました。
ハイスピード工法のメリットと注意点
ハイスピード工法のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | 特徴 |
環境への負担が少ない | セメントや薬剤を使わないため、土壌汚染のリスクがありません。 |
施工が早く、次工程にすぐ進める | 乾燥や硬化の待ち時間が不要。基礎工事にすぐ移れます。 |
コスト面でも有利な場合がある | 施工条件によっては、柱状改良よりも費用を抑えられるケースも。 |
土地の資産価値に影響しにくい | 地中に人工物が残らないため、将来の売却時も安心です。 |
デメリット・注意点 | 特徴 |
すべての土地に対応できるわけではない | 極端に柔らかい地盤や地下水が多い場所では不向きなこともあります。 |
施工には重機スペースが必要 | 重機が入れない土地では、他の工法を検討する必要があります。 |
地域によっては認知度が低い | 比較的新しい工法のため、「聞いたことがない」と不安に思う方もいます。ただし、全国的には多数の実績があり、安全性は十分に証明されています。 |
現場の事例から学ぶ|ハイスピード工法の実例と選定ポイント
実例紹介:郡山市・新築住宅の地盤改良
郡山市の住宅街に建築会社B社様の新築予定の戸建て住宅で、地盤調査の結果、1.5メートル下に柔らかい層があることが判明しました。建設会社B社様からの要望は、「できるだけ早く地盤改良を終えて新築の施工に取り掛かりたい」「将来売却や土地を転用できるように環境に配慮して施工をしてほしい」という2点ご相談をいただきました。セメントを使う方法だと養生期間(乾かす時間)が必要なため工事のスケジュールに影響が出る恐れがあることと、土壌汚染のリスクがあり、売却時の査定にも影響が出る恐れがありました。
そこで、地盤調査の結果の内容鑑みて、短期間で施工が完了し、土壌汚染のリスクもないハイスピード工法をご提案いたしました。実際の工事はわずか2日間で施工完了。予定通り基礎工事へ移行でき、全体の工期短縮にもつながりました。
地盤改良の方法と実施結果
・施工期間:2日間
・使用工法:砕石による地中柱構築(ハイスピード工法)
・結果:即日で次工程に進行でき、スケジュール通りに建築が進行。工期短縮にも貢献
ハイスピード工法が向いている土地の条件
・地盤はやや軟らかいが、水はけが悪くない
・将来的な土地の活用(売却・転用など)も視野に入れている
・戸建住宅など、一般的な構造物の建築予定地である
・重機の進入が可能な敷地
地盤改良はまずは地盤調査から
工法選びは、地盤調査なしでどの地盤改良工法が有効か判断できません。
まずは地盤調査を行い、その結果に基づいて複数の工法を比較検討することが、満足のいく建物づくりにつながります。
まとめ:砕石で支える、未来にやさしい地盤改良という選択
ハイスピード工法は、自然素材で安心・スピーディに地盤を補強できる現代的な工法です。環境への負担が少なく、土地の将来性を大切にしたい方にぴったりの選択肢といえます。
- 地中に人工物を残さず、再利用性にも優れている
- 施工期間が短く、他工法に比べて柔軟な対応が可能
- 土地や建物の条件に合わせて、プロの目で最適な判断が必要
株式会社吉田設備では、住宅設備とあわせて地盤調査・改良のご相談も承っています。
「うちの土地にこの工法は合うのか?」「他と比べてどうなのか?」といったお悩みにも丁寧にお応えいたします。
見えない土台こそ、しっかりと安心して暮らせる家づくりの第一歩です。ぜひお気軽にご相談ください。
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