10月も中旬に入り、いよいよ年末に向けた準備が始まる時期になりました。
飲食店・ホテル・介護施設・オフィスビルなどの施設では、12月にかけて繁忙期を迎えます。
そんな時に起こりやすいのが、水まわりのトラブルです。
トイレの詰まり、給湯器の故障、排水の悪臭や漏水……。
「年末の一番忙しい時に限ってトラブルが起きた」という話は珍しくありません。
設備のトラブルは営業停滞や顧客満足度の低下に直結することもあります。
そこで今回のブログでは、繁忙期に備えて“今”確認しておきたい水まわり点検のチェックポイントを詳しくご紹介します。
■ なぜ年末前に水廻りの点検が必要なのか?
年末は「使用頻度の増加」「低温」「営業時間の延長」「工事業者の混雑」という4つの要因が重なり、水廻りのトラブルが発生しやすい傾向にあります。
- 使用頻度の増加
→ 客数や従業員数が増えるため、
トイレ・厨房・洗面所などの使用頻度が普段より水道設備の使用量が増える。 - 低温によるトラブル
→ 気温が低くなることで配管の収縮・凍結が起きやすくなる。 - 営業時間の延長
→ 連日稼働で、水道機器が休む間もなく使われる。 - 修理業者が混雑
→ 12月は修理依頼が集中しやすく、即対応が難しい場合がある。
以上のことから、10月〜11月に点検・清掃をしておくことで、水廻りのリスク回避をすることが出来ます。
それでは具体的にチェックすべき項目をご紹介します。
■ チェック項目①:トイレまわりの点検
最も水廻りのトラブルで多いのがトイレです。
水漏れ・詰まり・悪臭・フラッシュバルブの故障など、トラブルの原因は多岐にわたります。
施設や会社などでトイレが1台でも使えなくなると、利用者や従業員に大きな影響が出ます。
● 確認ポイント
- 水の流れが弱くなっていないか
- 便器の根元から水漏れがないか
- タンクの中で水が止まらない音がしていないか
- センサー式水栓・自動洗浄機能が正常に作動しているか
- 換気扇が回っているか(悪臭の原因になりやすい)
詰まりの予兆として感じることは、「水位が上がる」「流れが遅い」などの小さな異変から発生していきます。
異常を感じたら、無理に自分で直そうとせず、業者に早めに相談するようにしましょう。
■ チェック項目②:洗面所・手洗い場のトラブル予防
店舗・オフィス・工場などの人の出入りが多い場所では、手洗い場の使用頻度も高くなります。
使用頻度が増えることで、水漏れや排水のつまり、センサー式蛇口の動作不調などの不具合に直結します。
● 確認ポイント
- 水を出すときの圧力や温度は安定しているか
- 排水口に髪の毛や石けんカスのつまりがないか
- 水栓の根元や下部(S字トラップ)に水滴がついていないか
- センサー式の場合、反応が遅くなっていないか
- 洗面カウンター下の止水栓がしっかり閉まるか
意外と見落としがちなのが、止水栓の緩みです。いざという時に止水栓が閉まらない状況だと、水漏れ時の対応が遅れてしまいます。
止水栓は、年1回程度の止水栓の動作確認を行うことをおすすめです。
■ チェック項目③:厨房・バックヤードの排水設備
飲食店や食品加工場などでは、厨房まわりの排水設備も重要です。
油脂・洗剤・食品カスなどが配管内に蓄積すると、詰まりや悪臭の原因になります。
● 確認ポイント
- グリストラップの清掃は定期的に行っているか
- 排水桝のフタを開けたとき、異臭や油膜がないか
- 床排水の水の流れが悪くなっていないか
- 排水ポンプが正常に作動しているか(特に地下店舗)
- 給湯器や食洗機からの排水温度が高すぎないか
グリストラップの清掃を怠ると、油が固まり、下水への流出や悪臭苦情につながることがあります。
月1回以上の清掃、年1回の業者洗浄を行うことをお勧めします。
■ チェック項目④:給湯設備・ボイラー
気候が寒くなると一気に稼働時間が増えるのが給湯設備やボイラーです。
お湯が出ない、温度が安定しない、異音がするなどのトラブルは、12月に集中する傾向にあります。
● 確認ポイント
- お湯が出るまでに時間がかかっていないか
- 設定温度通りにお湯が出ているか
- 本体や配管から異音・振動が出ていないか
- 本体周辺に水漏れやサビがないか
- 使用年数が10年を超えていないか
給湯器やボイラーは「突然壊れる」ケースが多い機器です。
10年以上使っている場合は、冬前の点検または更新検討をおすすめします。
■ チェック項目⑤:配管・排水管まわり
屋外配管や床下配管も見逃せません。
秋冬の気温変化で金属が収縮し、結露や漏水、凍結が起こることがあります。
● 確認ポイント
- 屋外の給水・排水管に保温材が巻かれているか
- 破損・劣化していないか(テープの剥がれ・ひび割れ)
- 排水がスムーズに流れているか
- 排水桝の中に泥・落ち葉などが溜まっていないか
- 漏水検知器やメーターの数値に異常がないか
もし漏水が起こると、階下漏れ・建物損傷・テナント間トラブルに発展することも。
特に年末年始の休業期間中に発生すると被害が拡大しやすいため、今のうちに確認しておきましょう。
■ チェック項目⑥:給排水ポンプ・貯水槽
ビルや大型店舗では、給排水ポンプや貯水槽のトラブルにも注意が必要です。
ポンプの故障や浮きスイッチに不具合が発生すると、断水や逆流が発生する恐れがあります。
● 確認ポイント
- ポンプから異音や振動がしていないか
- 自動運転・手動運転が正常に切り替えられるか
- 貯水槽内にゴミや汚れが溜まっていないか
- フロートスイッチ(浮き)の動作が正常か
- 定期清掃・水質検査を実施しているか
ポンプ室の温度が低すぎると凍結や配管破裂のリスクが生じます。
ポンプ室の温度は、最低でも5℃以上を保つように温度管理をしましょう。
■ チェック項目⑦:外部・屋上排水
秋の落ち葉が排水口を塞ぐことで、発生する不具合も増加します。
屋上・ベランダ・側溝の排水が詰まると、雨漏りや浸水事故の原因になります。
● 確認ポイント
- 屋上ドレン(排水口)にゴミ・落ち葉が溜まっていないか
- 側溝や雨樋の水の流れがスムーズか
- 雨水桝が詰まっていないか
- 雨天時に水が溜まる場所がないか
- シーリングの劣化・ひび割れがないか
小雨でも屋上に水が溜まるようになったというのは要注意のサインです。
配管内部で詰まりが進行している可能性があります。
■ 事前点検で繁忙期を安心して迎える
チェック項目として挙げた上記の内容は、点検を定期的に行うことで、年末のトラブルを未然に防ぐことができます。
特に「小さな異音」「流れが悪い」「臭いがする」などの変化は、初期不良のサインです。
繁忙期は設備業者の予約が取りづらくなるため、10月~11月のうちに点検依頼を済ませるのが理想です。
■ 専門業者に依頼するメリット
自社点検では気づけない箇所を、専門業者なら確実にチェックできます。
- 内視鏡カメラによる排水管内部の確認
- ポンプ・バルブ類の作動テスト
- 水質検査や貯水槽の衛生点検
- 凍結対策の保温施工
- 給湯器の燃焼効率診断
トラブルが起きてから修理するより、予防的に点検しておく方が結果的にコストを抑えられます。
■ まとめ:備えあれば憂いなし。繁忙期をトラブルゼロで迎えるために
- 年末は水まわりの使用頻度・トラブル発生率が最も高い時期
- トイレ・厨房・給湯・排水・屋上の点検がポイント
- 10月〜11月に事前点検をしておくことで営業リスクを防げる
- 専門業者による点検で「見えない劣化」も早期発見できる
年末の慌ただしさの中でトラブルが起こると、復旧までに時間もコストもかかります。
今のうちに一度、水まわりの点検をしておきましょう。

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