はじめに:快適な職場は「働きやすさ」だけでなく「成果」を変える
職場や施設内で「事務所が寒い」「エアコンの風が直接当たる」「トイレの臭いが気になる」と言った現場の声は出ていませんでしょうか?
このような実害は少ないものの“ちょっとした不快感”は、仕事をするうえで生産性やモチベーションに直結します。
近年多くの企業が、快適な職場環境を整えることが生産性の向上につながると考えるようになりました。
経済産業省の調査でも、空調や照明などの快適性を改善することで、作業効率が5〜10%向上したというデータがあります。
今回のブログでは、給排水や空調などの設備工事を行う立場から、快適な施設環境づくりのための実践ポイントをご紹介します。
1. 快適性が生産性を左右する理由
① 温度・湿度のバランスが集中力を左右する
人間は体感温度のわずかな変化で集中力や判断力に影響が出ます。
例えば、オフィス環境で最も作業効率が高いとされるのは「室温22〜25℃・湿度40〜60%」の範囲が適切とされます。
この室温・湿度が高すぎでも低すぎでも、作業効率は低下しやすい傾向にあります。
例を挙げると、冬場は足元の冷え、夏場はエアコンの冷風が一部の席に集中してするなどの「空間内の空調のムラ」がストレスを感じる原因になります。
そのため、エアコンの風向きを調整するだけでも、職場環境の快適度は大きく改善する傾向にあります。
② 空気環境の悪化は“無意識の疲れ”を生む
室内の二酸化炭素濃度が上がると、眠気や集中力の低下、頭痛などの原因になることがあります。
特に秋~冬にかけては、暖かい空気が逃げるからと換気を控える傾向があり、
空気がこもって二酸化炭素濃度が上昇しやすくなります。
室内の換気は、10~15分程度の短時間でも改善がみられます。
そのため、定期的な換気を行うことで、頭がスッキリし、仕事のミスを防ぐ効果が見込めます。
③ 水まわりやトイレの清潔感は“職場の印象”を決める
水まわりの臭いや汚れは、従業員のストレスだけでなく、来客からの印象にも直結します。
企業施設はトイレや給湯室などの使用頻度が一般家庭に比べて高く、特に秋~冬は排水詰まりや臭気逆流などが起きやすい時期でもあるため特に注意が必要です。
対策としては、定期的な排水管洗浄や、換気扇のメンテナンスを実施しておくことで、汚れと臭いの対策をとることが出来ます。
2. 空調の見直しが快適性を変える
① 空調は定期点検で「無駄運転」と「ムラ」を解消
オフィスや店舗でよくある悩みが、「席によって暑すぎ、寒すぎな個所がある」という悩み。
この原因は、エアコンの風向き設定だけでなく、吹き出し口の汚れ、フィルター詰まりが原因の場合で起きている場合があります。
パッケージエアコン(業務空間向けのエアコン)は、約3〜6ヶ月ごとのフィルター清掃と年1回の分解洗浄をすることが理想です。
分解清掃は、汚れが取れるだけでなく、冷暖房効率が良くなる効果も見込めます。
② 暖房の効きが悪い原因は「気流の偏り」
冬にエアコンで暖房を入れても、部屋が暖かくならないと感じる場合、温度設定よりも空気の循環に課題があることが多いです。
この問題を解消する場合は、天井ファンやサーキュレーターを併用することで、部屋の上に溜まった暖気を循環させることで、部屋全体をムラなく暖めることができます。
③ 老朽化した空調は“電気代増”と“快適度低下”の原因
パッケージエアコンの平均寿命は約10〜15年とされています。
エアコンは、使用年数が経過するほど冷媒効率が下がり、設定温度通りの運転が出来なくなってきます。
さらに、運転が出来ていても、新品の製品に比べ、同じ設定でも電気代が20〜30%上がることもあります。
そのため、10年以上使用している機器がある場合は、修理以外にも新しく機器を入れ替えることも視野に入れた方がいい場合もあります。
3. 給排水設備の快適性アップ術
① トイレ・洗面所のにおい対策は「換気」と「水封」チェックから
冬場は気温が下がることで排水管の気流バランスが変化するため、下水臭が逆流しやすくなります。
下水臭の原因としては、排水トラップの水が蒸発していたり、換気扇が正常に機能していいないと臭いの原因になります。
対策としては、定期的な排水トラップの注水・清掃、換気扇の動作確認を意識するだけでも、臭いの発生を抑えることが出来ます。
② 水漏れ・詰まりは“設備老化”のサイン
トイレや給湯室での水漏れは、パッキンの劣化・配管の腐食・接続部の緩みなどが原因で起きます。
水漏れは放置すると、最悪床や壁内部まで痛むことで、修繕コストが数十万円規模になる場合もあります。
水漏れをしていなくても、半年〜1年に一度は、専門業者による水まわりの定期点検を行うのが理想です。
③ 給湯設備のトラブル予防も「冬前」がベストタイミング
冬はお風呂以外にもお湯を使う機会が増えるため、給湯負荷がかかり、給湯器の故障が急増します。
特に、長年使用している給湯器では「お湯が出ない」「ぬるい」「異音がする」といった症状が出やすくなります。
本格的に気温が下がる前に、動作に異常がないか確認しておきましょう。
異常がある場合は、壊れてからだとお風呂や洗い物など様々な所で不便になるため、早めに点検を依頼するようにしましょう。
4. 照明と空気の質で“働く心地よさ”を高める
① LED照明で「明るさ」と「節電」を両立
照明は、色や明るさで作業効率に影響します。
青白い昼光色は集中作業に向き、暖かみのある電球色はリラックス効果が高い光とされています。
LED照明は一台で状況にあった照明に切り替えることができるため、空間ごとに業務内容に合った環境づくりができます。
節電効果が高いLED照明にすることにより、電力消費を最大60%削減できるうえ、発熱が少ないため空調負荷の軽減にもつながります。
② 空気清浄・加湿で健康維持にも貢献
冬場の乾燥はウイルス感染リスクや肌トラブルの原因になります。
オフィス・施設では湿度40〜60%を維持することで、乾燥による室内での不快感を無くすことが出来ます。
また、空気清浄機や全熱交換型換気システムを併用することで、より快適で清潔な空気環境を保てます。
5. 快適な環境づくりがもたらす“3つの効果”
これまで紹介した事例を実施することにより、生まれる相乗効果は以下の3つの効果が期待できます。
●生産性アップ
空間が快適になることで仕事に対しての集中力が上がり、判断ミスや疲労感を軽減することが期待できる。
●従業員満足度の向上
快適な空間の職場は離職防止・定着率アップにも効果が見込める。
●企業イメージの向上
来客や面接時の印象が良くなり、企業に対する信頼感を高める効果がある。
6. 設備業者ができるサポート
当社のような設備工事業者では、「快適な職場環境づくり」を支える以下のようなサポートを行っています。
- 空調・換気・給湯・排水設備の定期点検
- 配管洗浄・グリーストラップ清掃
- 省エネ改修(LED化・空調更新)
- トイレ・洗面所などのリニューアル工事
建物の利用状況や季節に応じて最適な提案を行うことで、コスト削減と快適性の両立を目指します。
まとめ:快適性は「コスト」ではなく「投資」
空調や水まわりの環境改善は、単なる修繕や清掃ではなく、“働く人のパフォーマンスを引き出すための投資”とも言えます。
「社員が快適に働ける」「お客様に良い印象を与える」その積み重ねが、生産性と企業力を高めます。
季節が冬に向かうこの時期は、室内での作業を快適に過ごすための準備期間とも言えます。
この機会に、設備の点検と環境改善を始めてみてはいかがでしょうか。

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